日本語教室、挫折と継続

海外子育て

※記事内にはプロモーション(広告)が含まれる場合があります。

幼稚園の頃から現地の日本語教室へ

ドイツで生まれ育ったドイツ人と日本人のハーフである娘。

生まれた時から1年に1回日本に行くというサイクルで、日本滞在中に日本文化に触れ、日本語を少しずつ上達させてきました。

普段のドイツの生活では、日本語を話す機会は基本的に母親である私との会話時のみ。それに加えて週一で通っていた、現地在住の日本人保護者によって運営されている日本語教室がありました。幼稚園の頃から通い始めてまずはひらがなを習得。小学校の年齢になると、日本の国語の教科書や漢字ドリルを使って、漢字の読み書きや文章の書き方などを学んでいきました。

授業はたった週一回だけど、宿題も出るし、毎週公共交通機関を使って通うのもけっこう大変なのですよね。授業の待ち時間は他のお母さんたちとおしゃべりできて、私にとっては楽しい時間だったけれど。

日本語の勉強を嫌がる娘

本の山

そんな日本語教室ですが、「なんで私だけ日本語の勉強もしなきゃいけないの?(ドイツ人の)友達は学校の勉強だけでいいのに!」と本人は不満だらけ。そりゃあそうだよね😓 親の都合でハーフに生まれてきたってだけで、他の子より余計に勉強しなきゃいけないなんて。理不尽だよね……。

まだ小学校低学年の子供が、この状況に納得できなくても当然だとは私も思っていました。

それでも何とかして、最低限の日本語は身に付けてほしい。大人になってから「なんで自分は日本語ができないんだろう」と後悔することのないように……。

そんな思いで、「言葉っていうのは大人になってから勉強しても、なかなかちゃんとできるようにならないんだよ。子供のうちにやっておかないとダメなんだよ。日本のおじいちゃんおばあちゃんともお話したいでしょ?」と言って、無理やり勉強をさせていました。宿題と言っても量的には1日1~2ページくらいのものなのですが、これがなかなか難しいのです。

宿題をやりたがらない娘と毎日のようにバトルしながら、私なりに必死に続けさせていましたが……。小学2年の途中でついに完全拒否され、何をどうがんばっても授業に連れていくことができなくなってしまいました。やめる以外選択肢がなく……挫折です。

私のバトルし続ける力が尽きました💦

でもそれだけでなく、無理強いし続けることで日本語そのものを嫌いになってしまうのを避けたい、というのも大きかったです。

ここで一旦漢字の勉強などは終了してしまうのですが、娘は小さいころから日本の絵本やテレビ、童謡などが大好きだったので、それらを通じて日本語に触れることは継続。語学感覚がいい方なので、新しい言葉も割りとすぐ覚えることができ、「話す・聞く」力は伸びていくのが会話をしていて分かりました。でも漢字の勉強をしていないので、「読み書き」は小2でストップしたままです。

第2子の日本語レベルの傾向

ノートと鉛筆

4つ下の息子の方はというと、日本語習得には娘より苦労しています。それには息子が第2子ということが大きく関係しています。もともとの語学感覚というのも無視できない点ではありますが……。

海外で暮らす多くの2ヶ国語家庭でそうだと思いますが、第2子以降の子の日本語力の方が第1子に比べてどうしても低くなりがちな傾向にあります。その主な原因は以下のような感じです。

  1. 子供が一人の時に比べて、二人目の時は親が日本語の勉強サポートのための時間を十分に取ってあげることが難しい。
  2. きょうだい同士の会話はかなりの確率でドイツ語になる(上の子は幼稚園などでドイツ語を話していて子供同士の会話=ドイツ語という構図があり、きょうだいに対しても自然とドイツ語で話しかけるようになる)。
  3. そのため第1子は、第2子が生まれるまで昼間は家の中で母親と日本語だけで過ごす時間が確保できるのに対し、第2子以降は日本語だけで過ごす環境を持てないことが多い。

これ以外にも我が家の場合、娘が幼稚園の時は、好きな時期に2か月くらい日本に一時帰国してその間は日本の幼稚園に通う、ということができたのですが、息子が幼稚園の頃には娘がもう小学生だったため、一時帰国は学校の夏休み中限定となり、息子には日本の幼稚園に通うチャンスがなかった(日本の幼稚園も夏休みになるので)ということも大きな原因でした。

日本の幼稚園に行けたかどうかは、日本語習得に大きな影響を与えたと思います。

ちなみに娘は年少さん時に約1か月、年長さん時には約2か月日本の幼稚園にお世話になりました。

弟の方が日本語教室を長く続けているのは、お姉ちゃんのおかげ!

Thank you

そんな息子ですが、6年生の現在、まだ日本語教室を続けられています!

これは正直、想定外でした。宿題はすすんでやらないし、語彙力は娘の6年生当時と比べてもだいぶ低いですが、授業に通い続けることで、何とか日本語がゼロにならないように食い止められている、といった感じです。

娘と同じように授業に行くのを嫌がって大変だった時期もあったのですが、彼の場合はそこを乗り越えることができました。今は授業自体は楽しんで通っています(あくまで宿題はイヤ!苦笑)。

授業に行くのを嫌がった時期は、私も毎週連れていくのが大変で挫折しそうにもなったのです。が、そこであきらめないで踏ん張り続けさせてくれたのは、娘のひと言でした。

私はやめて後悔してるけどね。

えぇっ?!

あんなに日本語授業を拒否していた娘の口からさらりと出た言葉に、私は耳を疑いました。

日本語教室をやめてから数年、気づくと大の日本好きになっていた娘。日本語の本やマンガを自由に読めないという事実を通して、あの時日本語をやめてしまった自分を後悔しているとのことでした。

そんなことを聞いてしまったら、息子は意地でも続けさせないと!という気になりますよね😅

当時日本語クラスの先生に状況を説明して、宿題をかなり少なくしてもらったり、一時的には宿題をやらずに授業だけ参加する旨も了承していただけたこともあり、何とかやめずに続けてくることができました。

目指す位置が著しく違うと(生徒も先生も)、このような状況になった時続けるのが難しくなってしまうと思いますが、息子の場合は周りが似たようなスタンスの人が多かったので、ラッキーだったのだと思います。

それぞれのやり方で「日本語をあきらめない」

きょうだい

娘は日本語教室をやめて数年後、自ら漢字の勉強を再開しました。やはり自分一人でやっていくのは簡単ではなく、なかなか進歩はしませんが、それでも「勉強しよう」という気持ちが芽生えたことが、親の私はとても嬉しかったです。

日本語教室を挫折した娘と、何とか継続している息子。

最終的にどのレベルまで行けるかな。それぞれに合った形でできるだけのサポートを続けていきたいと思っています。

この記事を書いた人
るび

日本から留学でドイツに来て、ドイツ人の夫と結婚して、2人の子供を育てて……あっという間に20数年が経ちました。

子育てはまだもう少し続きますが(終わってほしくない!涙)、子育てが終わってしまう前に、過去のことを振り返りつつ、現在進行形で海外育児について書き留めていきたいと思います。

子供にできるだけ日本語を習得してほしいと思って子育てをしてきましたが、子供そして私自身の負担になりすぎない程度に、ゆる~くやっています。

るびをフォローする
海外子育て
日独ファミリーのきろく
タイトルとURLをコピーしました