公園で日本語を話すと目立ってしまう
初めての一時帰国のときに「娘とは日本語のみで話す」というベースを身に付けた私は、それを徹底するようになっていました。娘には一切ドイツ語で話しかけない!
家の中にいるだけなら難しいことではなかったのですが、公園に行くようになってすぐ、それは簡単なことではないと気づきました。
周りにいる子供や親たちは、当たり前ですがみんなドイツ語でしゃべっています。その中で私が娘に日本語で話しかけると、目立つんですよね。
ドイツにはいろいろな外国人が住んでいるので、外国語を耳にすることにドイツ人は慣れていると思いますが、それでもやっぱり目立つ。そして、何となく壁を作ってしまっている感じがして、正直ああいう場で私は日本語をあまり話したくなかったのです。
そのため初めの頃は、公園ではドイツ語を使ったりもしていました。その方が他のお母さんお父さんたちとも、より自然にコミュニケーションが生まれるのは確実です。
どうすべきか……とても悩みました。ドイツ語を使った方が、他の人たちと交流しやすい。それに、大きな声で日本語を話すことで、外国人オーラを必要以上に出してしまう……。
あれこれいろいろ考えちゃうタイプなんです💦
割り切るしかない!
でも……悩んだ末に私が出した答えは、「公園でも徹底して日本語を使う」ということでした。ここは割り切るしかない!と思ったのです。
ちょっと冷たい感じがするけどこう考えよう。「今こうやって公園で出会う人たちは、きっと今だけの関わり。でも娘にとって、言葉というものは一生ついて回るもの。」そう考えると、ここは割り切って日本語でいこう!と思えました。
公園にいるときくらいドイツ語を使ったって問題ない、と考える人もいると思いますし、日本語習得をどこまで重視するかは本当に人それぞれだと思います。どちらが良い悪いではなく、私にとっては娘の日本語習得が重要なことだったので、このような決断をしました。
外国で育つハーフの子供の日本語習得について情報を集めていく中で、「日本語担当」になった方の親が徹底して日本語のみを子供と話すことがいかに大事かということを知った上での私の決断でした。
しばらく悩んで、「割り切ろう!」と決断したときのことは今でも鮮明に覚えています。自分の中で「何を優先するか」が明確になって、ずいぶん楽になりました✨
周りに理解してもらう努力も必要
この公園での状況は、夫の家族や親戚と会う場でも生まれました。クリスマスの時など親戚一同が集まる会で、私が娘と日本語で話していると、中には「ん?」みたいな顔をする伯母さんもいたのです。
その時はすかさず、どうしてドイツ語が話せる私がこの場で娘と日本語で話すのかについて、きちんと説明をしました。「ここにいるみんなには(分からない言葉が飛び交って)ちょっと申し訳ないんだけど……」という言葉を添えて。するとその伯母さんはとても理解してくれたようで、「大事なことよね!」と言ってくれました。
「ママとは日本語だけ」のルール確立!
これをどんなシチュエーションでも続けていくことで、娘の中で、「ママとは日本語だけで話す」というルールが確立されていきました。後に幼稚園に行くようになると、お友達や先生とはドイツ語でずっと話しているのに、私がお迎えに行くと自然と私にだけは日本語で話してくるのだから面白いですよね。
公園で日本語を話すと目立つことが大人の私は気になったわけですが、小さな子供ってまだそういう意識は全くないんですよね。
だから、ドイツ人のお友達の前でも何のためらいもなく、大きな声で私と日本語で話す。話し続ける(苦笑)。 そしてそのお友達もまだピュアな年頃なので(少し大きくなってくると外国語をからかったり、なんてことも出てくるのですが……)、そんな私たちの会話をぽかーんと見ていたり(笑)。「ねぇねぇ!何て言ってるの??」と興味津々に聞いてくる子もいました。
さあ、「日本語のみ!」が定着したら、今度は「ドイツ語解禁」です。