「日本人になりたい」ハーフの子供のアイデンティティ

日本留学

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ただ日本が好きなだけだと思っていたけれど……

日本留学の話を持ち掛けてきた当時、娘は14歳。

ドイツで生まれ育ちましたが、1年に1回日本に行って1か月ほど滞在する、というのを繰り返す中で、日本にも慣れ親しんでいました。

日本語については、漢字は小2レベルでストップしたままだけど日常会話はまあ普通にできるレベル。そして今はインターネットが発達しているので、日本のテレビや音楽のこともそれなりに知っていて、日本を身近に感じていることは親の私にも伝わってきていました。

「日本を好きでいてくれるのは嬉しいな。」と、それ以上のことはあまり考えていなかったのですが……。

本人は、日本のことを知れば知るほど、日本を好きになればなるほど、自分のアイデンティティについて深く考えるようになっていたようです。

「日本人である」ことがどういう感覚なのか知りたい

私は日本人とドイツ人のハーフだけど、やっぱりドイツ人なんだよね。日本にいる時、自分は外国人だと感じる。分からない言葉はたくさんあるし、知らないこともたくさんある。でも私はドイツ人だけど、同時に日本人でもあるんだよ。でもそういう感覚がない。本当に日本人であるっていうのがどういう感覚なのか、分かるようになりたい。ちゃんと、日本人になりたい。」

これが、娘が日本留学を希望する一番の理由でした。

「日本の学校に通ってみたい。日本の普通の学校生活を送ってみたい。だって、私は日本人なんだから。」

これはきっと、ハーフでなければ分からない感覚なのだろうな、と思います。我が子のことだけど、彼女はハーフ、私は日本人(だけ)だから、そこには大きな隔たりがあって、きっと私には分からない感覚。そのことを初めて明確に認識したとき、娘にできる限り寄り添ってあげたいと思いました。

引っ込み思案で人見知りで臆病な娘が、たった一人で知らない世界に飛び込もうとしている。いくら慣れ親しんだ日本とは言え、中学生でたった一人、ホームステイしながら、今まで足を踏み入れたこともない日本の学校に通うということは、娘の性格からしてものすごく勇気がいることのはずなんです。

それでも「留学するんだ」という決意の裏には、「自分のアイデンティティを探求したい」という娘の強い思いがあることが想像でき、実現できるためにできるだけのサポートをしてあげよう、と、留学実現に向けて自然と動き出していくことになりました。

この記事を書いた人
るび

日本から留学でドイツに来て、ドイツ人の夫と結婚して、2人の子供を育てて……あっという間に20数年が経ちました。

子育てはまだもう少し続きますが(終わってほしくない!涙)、子育てが終わってしまう前に、過去のことを振り返りつつ、現在進行形で海外育児について書き留めていきたいと思います。

子供にできるだけ日本語を習得してほしいと思って子育てをしてきましたが、子供そして私自身の負担になりすぎない程度に、ゆる~くやっています。

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