列をなさないドイツ人 〜 早い者勝ち文化

ドイツの暮らし

ドイツと言えば、「合理的」、「高い技術を持った国」というイメージがあると思いますが、日常生活の中では「早い者勝ち文化」の側面もあり、合理的とはかけ離れた場面にたびたび遭遇します。

レストランやカフェで

レストラン

日本でレストランやカフェに入る時は、入口で人数を伝えて案内してもらいますよね。満席の場合はリストに名前と人数を書いて、順番に呼ばれていくシステム。あれはお店側にとってもお客さんにとっても合理的で、誰も不満に思うことがない良い仕組みだな〜と思います。余計なストレスが発生しません。

でもドイツでは基本的に案内はなく、自分で席を探して座るスタイル。満席のときもリストに名前を書くシステムはないので、店内をぐるぐる回って空いている席、空きそうな席を自分で探さなければなりません。

これの何がストレスって、席が取れるかどうかは「早い者勝ち」ルールで決まるということ。店内をぐるぐる歩き回っているうちに、後から入ってきた人がたまたま空いた席の近くにいてサッと座ってしまうということもよくあります。

それを極力防ぐためには、テーブルでお会計をしている人がいたらそろそろ出るという合図なので、そのテーブルを見張っていることが重要です(苦笑)。そしてその人が席を立ちそうな雰囲気になったらすぐ近くにいって、「次に座ります」アピールをあからさまにする。これ、私とても苦手なのですが💦、でもこれをやらないと永遠に座れなかったりするので、やるしかないのですね〜。

日本では、フードコートなんかだとそんな感じでしょうか? でも回転の早いフードコートでなら、それほどストレスには感じないように思います。

るび
るび

またドイツでは、地域によって違いはあるかもしれませんが、夜レストランに食事に行く場合は予約することが多いです。予約をしてあれば、早い者勝ちルールとは関係ないので良いですね。

電車に乗るときも早い者勝ち

駅

早い者勝ちルールは、電車に乗るときも適用されます。これは、ICEなどの長距離列車、地下鉄やトラム、バスなどの市内交通全てにおいてです。

日本の電車のホームは並ぶ場所が決まっていて、そこに並んでいれば電車がきちんとその位置でドアが開くように止まってくれるので、ストレスがありませんね。(満員電車というストレスは置いておいて。) 

ドイツのホームには、並ぶ場所なんてもちろん書いてありません。仮に書いてあったとしても、電車が毎回同じ位置に止まることはきっとないだろうなと思います(笑)。

長距離列車の場合は、どの号車がホームのどの辺りのエリアに止まるのか、という情報は一応あるので、そのエリア(アルファベットでホームが区切ってあります)で電車が来るのを待っているのですが、大ざっぱな区切りなので、電車が入ってくるとみんなドアの位置を狙ってホームを右往左往します

以前私の母が、ドイツのこの光景を見てよく笑っていました。ホームで整然と並んで秩序が保たれたまま順に乗車していく日本の光景に慣れていると、ドイツのホームでのごった返した有り様は滑稽なのだと思います(笑)。

特にフランクフルト空港駅のホームでは、多くの人がスーツケースを持っているので、みんな大きなスーツケースを引っ張りながら慌ててドアの位置に群がっていくのです。これはけっこうなストレスですよ〜(笑)。

レジの列に並んでいる最中に隣のレジが突然開くと……

カート

スーパーやドラッグストアなどでレジが複数ある時は、当然ですが列が短いところを選んで並びます。

ドイツで並んでいる最中によく起こるのが、隣のレジが突然開くこと。レジの列が長くなってきていることに店員さんが気づくと、新たにレジを開けるのです。そして、「こちらのレジにもどうぞ〜」と言ってくるのですが、そうすると、他のレジの列に並んでいた人たちが、我先にとその新たなレジに移動します。

個人的にこれがとってもストレスです!(苦笑)

複数の人が新たなレジの方へ向かい、まさに早い者勝ちルールで商品をレジのベルトコンベアに置く…… あぁ……私苦手です💦

他の人と小競り合いっぽくなるくらいなら、少し長く待つことになっても、元のレジの列に留まっていた方がいいです(苦笑)。

るび
るび

のんびりしていそうなドイツ人なのに、この時は早いんですよね(笑)。新たに開いたレジにサッッッと移動します。

ただ、こういう光景をいつも見ていると、みんな何が何でも早くレジを終わらせたいのかと思うのですが、レジで譲ってくれる人が多いのもまた事実です。

買うものが少ししかないとき、前に並んでいる人がそれに気づくと、「あなた、少ししか買わないからお先にどうぞ。私は買うものたくさんあって時間かかるから」と言って。

こう言って譲ってくれる人、けっこう多いです! こういう時は素直に「優しいなあ!Danke schön!」と思います。


そのようなプチ譲り合いで笑顔になれたり、席をめぐる早い者勝ちレースでプチストレスを感じたり。そんなドイツの暮らしですが、「列に並ばせる」という合理的なシステムをもう少し取り入れてくれたら、いろんなことが潤滑に回るだろうになぁと思います。

この記事を書いた人
るび

日本から留学でドイツに来て、ドイツ人の夫と結婚して、2人の子供を育てて……あっという間に20数年が経ちました。

子育てはまだもう少し続きますが(終わってほしくない!涙)、子育てが終わってしまう前に、過去のことを振り返りつつ、現在進行形で海外育児について書き留めていきたいと思います。

子供にできるだけ日本語を習得してほしいと思って子育てをしてきましたが、子供そして私自身の負担になりすぎない程度に、ゆる~くやっています。

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