「ドイツの街並みって本当はきれいなんだね」

ドイツの暮らし

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先日娘と二人で久しぶりに街へショッピングに出かけました。日本留学から帰ってきて、初めての街歩きです。

ドイツより日本(東京)の街並みが好き

東京

完全に日本Love、東京Loveな娘は、以前からドイツ(ヨーロッパ)の街並みの価値を見出せないでいました。

生まれたときから見ている景色だし、ティーンエイジャーなので、ヨーロッパの古い趣ある街並みより、東京の最先端な雰囲気の街並みに惹かれるというのは理解できます。

逆に娘の方も、「古くさい」とは思いながらも、ヨーロッパの建物や広場が美しい造りだということは理解できているようで、「まぁきれいだよね。それは分かるけど、私は東京の街並みの方が好き!」といつも言っています。

人間ってつくづく、自分にないものに憧れたり惹かれたりするのですね。

私は若い頃、東京で働いたこともありますが、東京の街並みが好きだと思ったことは一度もありませんでした。「惹かれるもの」の対象になっていなかったと思います。対象外(笑)。ひたすらごちゃごちゃしているとしか思えなくて、常にドイツの可愛らしくてきれいな街並みに想いを馳せていました。

でも娘は東京の密集したビル群やチカチカ光る巨大モニターに惹かれるらしく、渋谷のスクランブル交差点はもう本当に大好きです(笑)。音楽がガチャガチャと鳴ってるのもいいらしいです。

私は静けさや趣ある街並み、クラシック音楽などに惹かれてドイツに移住しましたが、日本を離れて20年以上経った今、東京の魅力も理解できるようになりました。

こんなおばさんでも賑やかな東京は楽しいと思うし、ごちゃごちゃ感も気にならなくなりました。今は日本に対する気持ちがとてもポジティブなので、街並みの見え方も変わってくるのでしょうね。

ドイツは、くさい?!

フォルクスワーゲン

さて、そんな娘と私二人でショッピング in ドイツ。

服や雑貨を見て回るのは大好きなので、たまに一緒に街に行くことはいつも楽しみにしている娘ですが、毎回言うのが、「ドイツの街、嫌だ~。くさい。汚い。うるさい」……。

これはね~、本当に残念なことに、今のドイツの確かな一面なのですよね。昔はどこに行ってもきれいな印象があったドイツですが、今ではいろいろ汚いです。

道にゴミが落ちているのは普通ですし、飲み物をこぼした跡、食べ物を落とした(捨てた)跡、吐いた唾なども至る所にあるので、それがいやな臭いとなるのだと思いますが、とにかく気になるのは、タバコの臭いです!

歩きタバコをしている人が本当に多い! 息子はそれが一番嫌で、街に行きたがらないほどです。

それから私が個人的に一番胸が痛むのは、落書きが増えたことです。

以前はこんな至る所に落書きなんてありませんでした。今はもう本当に容赦なく建物にひどい落書きがあちこちでされているので、それらを目にするたび本当に胸が痛みます。

ドイツの歴史の重みを感じる美しい空間にはっとする

ドイツの建物

今回のショッピング中、娘はいつも以上に街並みを観察していたようでした。4か月間過ごした東京と比べたり、改めて自分の生まれ故郷を見つめてみたりしていたのでしょう。

「ドイツの街って、くさいから汚く見えるのかなぁ……?」

娘がふと言いました。

本当はきれいな街並みのはずなんだけど、いやな臭いが漂っているからそのイメージが先行して街並み自体がきれいじゃないものって錯覚してるのかも?? と思ったようです。

「うん、そうかもね。タバコの臭いと、地面の汚れ。これが街の美しさをかき消してるのかもね。ほら、上の方を見てごらんよ!」

私はそう言って、娘と一緒に上を見上げてみました。

視界に映るのは、何百年も前に建てられた歴史的建造物の上部、三角屋根、そして空のみ。それは思ったよりずっと中世な空間で、その重厚さ、美しさに圧倒されました。

それは娘も感じたようです。まるで観光客のように二人で上を見上げ、しばらくその美しい空間に意識を集中させていました。ヨーロッパの歴史の重みを実感した瞬間でした。

ドイツの良い面を認識する

ドイツの街並み

娘がドイツの街並みの良さに気付き始めたのを見て、せっかくなので、普段は行かないエリアにも足を伸ばすことにしました。

今までだったら、「そんな、用もないのにわざわざ歩かなくていい」とか言ってきたと思いますが、日本留学中にクラスメイトから「ドイツってどんなところ?」などと聞かれ、興味を持たれたことによって、今まで気にしたことのなかった自分の地元を改めてきちんと見てみよう、という気になったのでしょう。

「ここは、ママが好きな通り。すごくいい雰囲気でしょ!」

「あぁ~確かにね。うん、きれいだね。○○ちゃん(日本の学校で仲良くなった子)がもしドイツに遊びに来てくれたら、ここに連れてきたいな。」

そんな会話をしながら、二人でゆっくり街歩きを楽しみました。

「やっぱりドイツってきれいなところなんだね。」

娘にとって東京がNo.1であることに変わりはないけれど、ドイツが持つ良い面も少し認識することができたようで、よかったな~と思います。

いつかローテンブルクなど、おとぎ話に出てくるようなメルヘンチックな街並みも見せてみたいなぁ!

この記事を書いた人
るび

日本から留学でドイツに来て、ドイツ人の夫と結婚して、2人の子供を育てて……あっという間に20数年が経ちました。

子育てはまだもう少し続きますが(終わってほしくない!涙)、子育てが終わってしまう前に、過去のことを振り返りつつ、現在進行形で海外育児について書き留めていきたいと思います。

子供にできるだけ日本語を習得してほしいと思って子育てをしてきましたが、子供そして私自身の負担になりすぎない程度に、ゆる~くやっています。

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