半日で終わるドイツの学校、実は授業時間は日本より長い!

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ドイツの学校は基本的にお昼まで。9年生(中学生)までは、週に1回ほど午後の授業があるだけです。でも、授業のコマ数を調べ、年間の授業時間を算出してみると、実は日本より長いことが分かりました。

半日で終わるドイツの学校。給食はなし

生徒

ドイツの学校は基本的にお昼まで。給食はなく、子供たちは家で昼食をとります。

るび
るび

毎日毎日お昼ご飯を用意するのは大変!ご飯作りに関しては、年中夏休みのような気分です💦

子供を持つ前からよく、「ドイツの学校は午前中だけで短い。日本みたいにたくさん授業しない」というようなことを耳にしました。

実際に我が子たちが学校に入ってみると、小学校時代は毎日お昼で帰ってきます。ドイツの学校制度では小学校は4年生まで(ベルリン州とブランデンブルク州のみ6年生まで)。5年生から上の学校に上がると、原則として週1で午後に授業がある日が登場します。それは9年生(中3)まで続き、うちの娘の場合、10年生になって午後の授業が週2になりました。

ドイツでは小学校を卒業すると、成績や将来の希望によって進路が分かれますが、この記事ではギムナジウム(Gymnasium、原則として大学進学を目指す子が行く学校の分類)における授業数について書いていきます。

ドイツの学校はお昼までに6時間を詰め込む!

教室

娘が日本の中学校に留学した際、時間割表を見せてもらったり話を聞いたりしているうちに、「待てよ。授業時間自体は大して変わらないんじゃないか?いや、むしろドイツの方が多い?!」ということに気付きました。

時間割は学校によって多少の違いはありますが、ギムナジウムでは基本的に、お昼までに6時間(6コマ)詰め込まれています。1コマは45分。日本だと、午前中の授業は4時間目までですよね?

5年生はもうギムナジウムですから、この学年からすでに毎日6時間。加えて週1回午後に7・8時間目があるのです。この時点で、日本よりドイツの方がコマ数は多いですよね。

日本の小学校では(中学校でも)1日に6時間以上のコマ数はないのでは?と思います。

1日6時間の授業を昼休みを挟んで行う日本。昼休みなしでぶっ続けでやるドイツ。ここに大きな違いがあります。

本

昼食の時間を学校に入れないで6時間をこなすためには、

  • 朝の始業時刻を早くする
  • 休み時間をあまり入れない
  • お昼の時間にくい込んで授業をする

というようなことをしなければなりません。

実際の時間割はこんな感じです。

1時間目7:50~8:35
2時間目8:35~9:20
休み時間9:20~9:40
3時間目9:40~10:25
4時間目10:25~11:10
休み時間11:10~11:30
5時間目11:30~12:15
6時間目12:15~13:00
昼休み13:00~14:00
7時間目14:00~14:45
8時間目14:45~15:30
5分休み15:30~15:35
9時間目15:35~16:20
10時間目16:20~17:05

7:50に授業開始です!早いですよね💦 でもこれはまだいい方というか、学校によっては7:40、さらには7:30開始なんてところもあるようです。

日本だと登校時間がまずこれよりだいぶ遅く、さらに朝のホームルームや朝読書みたいな時間があり、授業そのものが始まるのは8:30以降というところが多いのではないでしょうか?(ドイツでは、朝いきなり授業開始です。)

ドイツの学校は休み時間が少ない

校庭

日本では、コマの間に必ず休み時間がありますよね。上の表からも分かるように、ドイツでは1・2時間目の授業は休み時間なしで、通して行われます。3・4時間目も5・6時間目もです。

ドイツでは小学校の時から基本90分授業、という体制なのです。これには驚きます。集中力なんてそんなに続くものではないので、子供に90分授業というのは非効率的なのでは?と思います。

るび
るび

休み時間があまりない=トイレに行く機会もあまりない、ということで、授業中に席を立ってトイレに行くのはごく普通のことだそうです……。

朝早くから授業をスタートし、休み時間を節約し、お昼を挟まずに6時間詰め込んで、13時ごろ終了。それから下校するので、家がどんなに近くてもお昼ご飯は13時は過ぎます。うちは帰宅が13時半は過ぎるので、お昼ご飯を食べるのが14時近くになることもあります。

いくらなんでも遅すぎやしませんか?? 朝早く家を出るのも、昼食の時間がこんなに遅いのも、体のリズムにとっていいとは思えません💦

ちなみに9時間目や10時間目があるのは、10年生以降(高校生)です。現在10年生の娘は8時間目までの日が週1回、9時間目まである日が週1回あります。11年生になると、10時間ある日も出てくるけど、朝の始まりが遅い日(例えば5時間目からしかない日)などもあるようで、不規則だなぁ……💦と思います。

年間の総授業時間数はドイツの方が多い

数字のサイコロ

さて、実際の授業時間数について計算してみました。

調べてみると、日本の小4~中学校は年間のコマ数が一律1015コマとのこと。小学校は1コマ45分、中学校は1コマ50分。

日本

小4~小6 …… 45分 × 1015コマ = 45675分 = 761時間

中学校…… 50分 × 1015コマ = 50750分 = 845時間

ドイツの教育制度は州ごとに異なり、コマ数の割り振りなども学校によって多少の違いがあるようで、一律に年間○コマという情報がないのですが、複数の学校のデータを調べる中で、中学校の学年だと大体週のコマ数が35コマほど、そして授業がある週は年間38週ほどと分かりました。そして現在6年生の息子は週32コマの授業があります。計算すると……

ドイツ

6年生(週32コマ × 38 = 年間1216コマ)…… 45分 × 1216コマ = 54720分 = 912時間

7~9年生(週35コマ × 38 = 年間1330コマ) …… 45分 × 1330コマ = 59850分 = 997時間

ドイツは朝の学活などもないし、昼休みも掃除の時間もなく、早朝からお昼すぎまでの間に無理やり授業を詰め込み、結果として日本より多くの授業が行われているらしいということが分かりました。

朝早く起きるのも、90分授業も休み時間が少ないのも、昼食の時間が極端に遅くなるのも、子供にとって負担になっているのでは?と思います。

るび
るび

うちの子供たち自身はそのような学校生活しか知らないので、それについて特に疑問には思っていないようですが……

詰め込み型がいいか? 余白のある分、学校滞在時間が長い方がいいか?

ただ午前中に詰め込んでいる分、午後まとまった自由時間が確保できるというのも事実です。それはそれでリラックス効果・リセット効果などがあると考えられます。

それでも個人的には、授業だけを詰め込んでやるのではなく、学活や読書の時間、給食、昼休み、掃除の時間などを含めた日本のような少し余白のある学校生活の方が、学校が子供の居場所となって良いのではないかと思っています。

また、午後まるまる自由時間がありすぎるのも困ったもので、結局だらだらとゲームをしたり動画を見て過ごしたりしてしまいがちなので、それだったら学校で友達と一緒に時間を過ごした方が意義があるとも感じています。

それにしても、ドイツの方が授業時間数が多いのは本当に意外でした。「ドイツの学校は短い、つまり日本ほど勉強しない」というイメージが定着している感じですが、単純にそういうことではなかったのですね。

この記事を書いた人
るび

日本から留学でドイツに来て、ドイツ人の夫と結婚して、2人の子供を育てて……あっという間に20数年が経ちました。

子育てはまだもう少し続きますが(終わってほしくない!涙)、子育てが終わってしまう前に、過去のことを振り返りつつ、現在進行形で海外育児について書き留めていきたいと思います。

子供にできるだけ日本語を習得してほしいと思って子育てをしてきましたが、子供そして私自身の負担になりすぎない程度に、ゆる~くやっています。

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