2023年9~12月までの約4か月間、日本の中3クラスに留学をし、たくさんのことを経験して娘はドイツに帰ってきました。
ここでは娘が日本留学中に学んだこと、経験したこと、感じたこと、などをまとめてみたいと思います。
日本語の上達の程度は
娘はもともと日常会話は基本的に問題なくでき、漢字のレベルは小2~3程度という感じでした。
4か月間日本の学校に通い、日本語で授業を受け、日本語だけで生活をした結果、当然と言えば当然ですが、全般的に日本語力はだいぶ伸びたと思います。
「話す」力
まず、話すスピードが速くなりました。もともと会話は普通にできたので、日本語で話していて違和感を感じることは以前からなかったのですが、より流暢になったという印象です。
今まで基本的に母親である私としか日本語で話したことはなかったので、4か月間、クラスメイト、先生方、ホストファミリーなど本当に様々な人たちと常に日本語で話す生活をして、話す力はだいぶ鍛えられたと思います。
敬語に関しては今回の留学中に初めて使ったと言っていいくらい、普段のドイツ生活では使う機会がありませんが、だいぶ普通に使えるようになって帰ってきました。
留学先の学校では初日と最終日に校長先生のところに挨拶に行き、いろいろと話をしたのですが、最終日には「日本語を話すのが上手くなりましたね」と言っていただいたようです。
「読む」力
日本語を読むことにもだいぶ慣れました。知らない漢字でも、送り仮名や文脈をヒントに読めることが多くなり、そうすると自分一人で読めるものがかなり増えてくるので、一気に世界が広がりますね。
また、読むスピードも速くなったようです。先日娘がSwitchで久しぶりにポケモンのゲームをやっていたのですが(娘はあえてドイツ語ではなく日本語に設定してゲームをしています)、「(画面に出てくる文章を)前より速く読めるようになった。だからゲームしやすい^^」と言っていました。
「書く」力
そして「書く」に関しては、以下の通りです。
- 日本にいる間に新しい漢字もどんどん習得できれば……と本人も私も思っていましたが、これは思ったより難しかったです。日々の学校生活でいっぱいいっぱいだったので、自分で漢字ドリルなどを使って新しい漢字を覚える練習は少ししかできませんでした。
- 文字は以前よりぐんときれいになりました。今まではかなり小学生っぽい字だったのですが、毎日授業でノートを取ることで日本語を書く作業に慣れ、またクラスメイトの書く字を見る機会がたくさんあったので、それを真似て書いているうちに娘の字もずいぶん整ったものになっていったようです。
そういえば私も小中学生の頃、友達が書く字を見て真似たりしながら、自分好みの文字スタイルを研究していたなぁと思い出しました。
日本人の真面目さ、熱心さに感銘を受ける
たまたま留学先の学校が勉強に力を入れている学校だったので、特に強く感じたのかもしれませんが、娘は日本の子たちの真面目さ、勉強熱心さに驚いていました。
まず初日、「授業中、めちゃくちゃ静か!!」と報告してきました(笑)。日本ではどんな学校でも授業中は基本的に静かだと思いますが、ドイツの学校は違います。私語が多く先生の話を聞かないのは通常スタイル……。生徒たちはかなり好き勝手やっているような印象があります。
クラスの人数はドイツの学校よりだいぶ多いのに、100倍くらい静かな日本の授業風景は衝撃的だったようです(笑)。
休み時間には自習をしている子がいたり、課題にはみんな真面目に取り組む(普通の勉強にしても、実験にしても、調理実習にしても)……これらもドイツの学校では見ない光景で、何事も穏やかにスムーズに進む日本の学校環境は、娘にとってはとても居心地の良いものだったようです。
そして文化祭では連日準備に没頭し、体育祭ではクラスの勝利のために本気で戦い本気で応援する。この熱心さにも娘はとても感銘を受けたようです。
ドイツの学校にはそもそも大きな行事がないですし、何かしらイベントのようなことをやったとしても残念ながらやる気のない子が多かったり、熱心さや団結力のようなものを感じられる機会はほとんどないのです(少なくともうちの子供たちの今までの経験上では)。
アットホームな日本のクラス
もう一つ娘が驚いていたのは、先生と生徒の関係性が密なこと。
ドイツの学校の先生は、授業をする以外で生徒と関わることがあまりありません。でも日本の学校では担任の先生とクラスメイトが仲良くて、アットホームな雰囲気でおしゃべりなどをする場面がよくあったようで、娘が日々、先生があんな話をした、こんな話をした、すごい面白かった、などと報告してくれました。
「日本の学校って、先生と生徒が友達みたいに仲がいい!ドイツでは考えられない光景!」と娘が言っていました。思えば私も日本での子供時代、先生たちとはけっこう親しく話した記憶があります。
日本の子たちのように勉強を一生懸命がんばりたい
娘が日本の学校で気に入ったことには、「勉強する環境、雰囲気ができあがっている」という点もありました。みんなきちんと授業を受け、必死にテスト勉強する。自習室や図書館でみっちり勉強したり、先生が休みで急きょ授業が自習時間となった場合も各自ちゃんと自習する。
どれもドイツでは見ることのない光景なのですが、娘は日本の勉強する環境がとても良いと感じたようでした。
そういう環境にいれば、自然と勉強をがんばることができる。ドイツはそういう雰囲気ではないので難しいだろうけど、日本での経験を持ち帰って、日本の子たちのように勉強を一生懸命がんばって良い成績を取りたい、と考えるようになったようです。
日本効果、すごいですね!
ドイツに戻り、4か月分の勉強を取り戻すべく四苦八苦
日本の学校の2学期終業式を終え、数日後にはドイツに戻ってきた娘(初めての一人フライトでした!)。
以前のブログ記事にも書いたように、10年生をやり直すことなく通常通り進級していくためには、留学していた4か月間の授業の内容を取り戻す必要があるため、冬休み中に勉強をスタートさせました。
娘が一番苦労しているのは数学です。友達に、授業のノートを写真に撮ってスマホに送ってもらい勉強しているのですが、ノートを見ただけでは分からないことが多く、なかなか前に進みません。授業は教科書通りにやっているわけではないので、どの単元をどの順番でやったのかも分からず、お手上げ状態。
そこで数学の先生にメールで相談したのですが、返ってきたのは「教科書はいまいちな部分もあるからあまり使っていない。授業のノート見れば分かるから、友達にノート見せてもらって」という内容の短い返事のみ(涙)。
娘は途方に暮れていましたが、どうにかやっていくしかないので、友達に電話したり、インターネットで調べたり、私に聞いてきたりしながら(高1の数学は私にはかなり厳しい……)、何とか少~しずつ前に進んでいるようです。
日本留学・総括
4か月間、たくさんの細かい大変なこともありながら、娘なりに精一杯がんばったと思います。
もうこれで二度と日本の学校に通うことはできないと思うと娘は悲しくて仕方がなく、「ドイツに帰りたくない」と何度も言っていましたが、そのまま日本の学校に通い続けることはできないと分かってもいるので、結果的に期間としては4か月でちょうどよかったかな、と言っています。それ以上長くいたら、ドイツに戻るのがもっと辛くなっていたと思う、と。
「将来、日本で暮らしたい」という夢を持っている娘にとって(その夢はまた変わることもあるかもしれませんが)、今回の留学は、「日本で暮らす」ということがどういうことなのか、実際に肌で感じることのできる良い機会になったと思います。
準備期間から含めて1年近くに及んだ、娘と私にとってのこの大きな大きなプロジェクト。無事終えることができて、私はほっとしています。
娘は今年の抱負として、「去年は大きく動いた年だったから、そこで経験して学んだことをベースに、今年は地に足をつけて地道にがんばる年にする、年になる」と言っていました。学校の卒業試験を2年半後に控え、これから勉強がどんどん大変になっていくので、勉強に集中する、ということです。
娘のこれからの成長を楽しみに、サポートできるところはして、しっかりと見守っていきたいと思います^^